〜 強制射精 〜 とある病室の一コマ



 リノリウムの床を駆ける足音が近付いてくる。
 一人じゃない。少なくとも三人。
「何だろ」
 ベッドの上の少女が手にした小説本を置いて目を上げた。耳を澄ませて音が聞こえてくる方向を見つめる。
「うわぁ〜っ!」
「こらっ、待ちなさいっ!」
 男女の叫び声がエコーしながら、どんどん迫ってくる。


 退屈な検査病棟の午後のひととき。
 何だか知らないけど、面白いことだったらいいな。
 少女の瞳がイタズラっぽく輝いた。
「学校の廊下を走っても怒られるんだから、病院なんか尚更なのにな」
 バタバタバタッ。
 一人の男を複数の女が追いかけているみたいだった。
「わぁぁっ!」
 男は声から判断して、まだ若いと思われた。
 多分自分と同年代、つまり中学生くらい?
「覗きでも見つかったのかな」
 少女がクスリと笑う。
 検査病棟だから、男女を問わず一日に何度も裸にされる環境だ。
 タイミングが合えば、女の子のオッパイはもちろん、ワレメさんを見ることだって難しくないはず。
「男子ってエッチだからなぁ」
 いや、女子だってエッチなんだけど。猫被ってるだけなんだけど。


「うわぁ〜っ、嫌だあっ!」
「待ちなさいっ!」
 バタバタバタッ。
 程なく病室に男と三人の看護婦が飛び込んできた。
 追いかけられていた少年が、とっさに目についた病室に隠れようと考えたらしい。
 切羽詰まった表情で近くのベッドの枠にしがみつく。
 溺れる者は藁をもつかむってやつだ。あれ、違ったっけ?
 少年は想像した通り、同年代と思われた。


 見た瞬間に頭から爪先までチェック出来るのは女子の特技だ。
 どちらかというと母性本能をくすぐられるタイプ。
 イケメンとは言えないまでも、ブサオ君ではない。
 要するに『まあまあ』だ。
 取りあえずの評価はそんなところだった。
 この人、どうなるんだろう。
 少女がわくわくしながら成り行きを見守る。


「まったく、往生際悪いんだからっ」
 看護婦が少年にタックルをかけてベッドに押し倒した。
 そのまま背後を取って脚を絡ませ、押さえ込んでしまう。
「君、良かったわね。女の子のギャラリーがいるなんて」
 看護婦の手がパジャマの中に入って、グリングリンとチンポを掴んで弄り回す。
 見た感じ、パンツの上からじゃなくてナマっぽい。
「いひっ! や、やめてっ!」
 チンポを揉まれる少年と目が合った。
 焦っちゃって恥ずかしそうだ。
 パジャマの中の手が、オチンチンを握った形のまま動き回る。
「そぅれっ!」
「わぁぁっ!」
 別の看護婦が、少年のパジャマを下着ごと引きずり下ろした。
 プルン!
 少女の目と鼻の先で飛び出すオチンチン。
「あらぁ、あっという間にチンポ出されちゃったねぇ」
 そのオチンチンが、三人目の看護婦の指先でプルプルとプロペラみたいに回される。
「ひぇぇっ!」
 少年が情けない声を上げて身をよじった。
 いくら男子でも、看護婦三人がかりでは為す術なしだ。
 何だか襲われた女の子みたい。
 少女が目を丸くしたままオチンチンを凝視する。
 同年代の男子のオチンチンをナマで見るなんて初めてだ。
 小学生の頃に見たオチンチンの記憶をそのまま大きくしたような感じ。
 白くてふにふにしていて、先っぽの方が少し膨らんでいる。
 へぇ、全然生えてないんだ。あたしもだけど。
「わぁぁっ!」
 少年が真っ赤になって叫ぶ。


 プルプルプル。
 オチンチンが回転すると、タマも引っ張られて動く。
 背後を取った看護婦は柔道かレスリングの心得があるようだ。
 羽交い締めに関節を極(き)められた少年は、身体を少女に向けて斜め横になった体勢でエビ反らされ、わたわた両腕を振り回すばかりだった。
 どう頑張っても腕は弄られるオチンチンに届かず、隠すことも出来ない。
「いひっ!」
 むんずとオチンチンを握られ、しごかれ始める少年。
 ふにゅふにゅふにゅ。
 最初は看護婦の掌の中で柔らかかったオチンチンが、見る見るうちに大きくなっていく。
 一分経たずしてカチンカチンに勃起する包茎チンポ。
 ごしごしごし。
「ほぅら、ほぅら。どれだけ我慢出来るかな〜」
 オチンチンをしごいている看護婦がニンマリ笑った。
 え、無理矢理射精させちゃうの?
 看護婦たちの意図に気付いた少女の目がさらに丸くなった。


「わぁぁっ! わぁぁっ!」
 ごしごしごし。
 少女はオチンチンの先っぽが湿ってカウパーが垂れるのを見逃さなかった。
 何だかすごい。
 オチンチンって濡れるんだ。でも女の子ほどじゃないかな。
 意識していないと、ついパジャマの中に手を入れてお股を擦ってしまいそうだった。

 そう言えばクラスでカイボー騒ぎがあったっけ。
 トイレ覗きをやった男子が女子軍団に仕返しされた事件だ。
 人垣に埋もれて全然見えなかったけど、参加した子は射精させてやったって喜んでいたから、きっとこんな光景だったに違いない。
 こんなにすごいと分かっていたら、何としても最前列にかぶりついて観察したのに。残念。
 その男子は同級生の女子に射精させられたアホとして、未だにからかわれ続けている。


「わひっ! うわぁっ!」
 ごしごしごし。
 オチンチンが勃起しているせいで、タマが猛烈に揺れる。
 オッパイ娘の徒競走みたいな勢いだ。
「シャーレ用意して」
 やがてオチンチンをしごいている看護婦が言った。
 オチンチンの先に丸い皿があてがわれる。理科実験室にあるアレだ。
 ごしごしごし。
「うひぃっ! ひぃぃっ!」
 少年の声が裏返った。
 太腿がピクピクしている。
 看護婦の一人が少年の顎を押さえているので、必死の形相がよく見えた。
 射精寸前で耐えている顔。
「わぁぁっ! うひぃぃぃっ!」
 その様子は相当に哀れと言えた。
 ピュッピュッ。カウパーが飛び散る。


 この人、あたしに見られてるの分かってるんだろうな。
 同年代の女の子にこんな姿を見られてしまうなんて、気が狂うほど恥ずかしいに違いない。
 逆の立場だったら、「ひぃ」しか言葉に出ないと思う。
 男子の目の前でクリトリスをニュルニュル弄られるのと同じなのだ。
 イキたくなくても、絶対にイカされてしまうだろう。
 でも目を逸らしてやる気なんかまるでなかった。
 射精の瞬間を見逃すなんてあり得ない。
 なんてラッキーな日だろうか。


「うひぃぃぃっ! れるぅぅぅっ!」
 少年が叫んだ次の瞬間、オチンチンの先っぽがプクッと膨らんで、ビックリするほどの量の精液が吐き出された。
「あ〜あ、射精させられちゃったねぇ」
 看護婦は笑いながら、オチンチンをしごく手を止めない。
 少年が口をパクパクさせながら、身体を二度三度と仰け反らせる。
 仰け反る度に、精液が吐き出されてシャーレに溜まった。
 カチンカチンに勃起していたオチンチンが、徐々に萎んで柔らかくなっていく。
 これが男子の射精。すごい。
 少女は目を皿にして、オチンチンを凝視したまま身じろぎもしなかった。


「素直に病室で抜かれていれば、こんな恥をかかずに済んだのに」
 背後を取った看護婦が、ようやく少年の身体から離れた。
「あなた、運が良かったわねぇ」と少女を振り向いて笑う。
 精液採取検査から逃げ出した結果がこれだと言うことは、容易に想像がついた。
 こくりと頷く少女。
 射精させられた少年は、ヌルヌルのオチンチンを晒したまま、ゼイゼイ荒い息をついている。
 完全に息が上がってしまったようだ。
 同年代の女の子の前で、オチンチンしごかれて射精させられて。
 哀れと言うほかない。


「……」
 毎日こんなだったら、しばらく入院してもいいんだけどな。
 少女は濡れてしまったことを自覚して、もじもじと太腿を擦り合わせた。

〜 完 


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