防犯灯の下で

「やめてぇぇぇっ!」
 とある団地外れの中庭。
 時刻は間もなく日付が切り替わろうとする頃合いだった。
 防犯灯に照らされたスポットの真ん中で、白い裸身が激しく抵抗している。
 襲われているのは女子高生のようだ。
 何故こんな深夜に出歩いていたのか。
 夜遊び帰りなのか、別の理由があったのか。それは分からない。
 着衣は乱れきっており、短い制服のスカートとチェック柄の上着が判別できた。

 襲っている男は三人。
 どの顔も欲望にゆがみ、脂ぎっていた。
 そして娘の身体の脇にもう一人同じ制服姿の女子高生が立ち、ビデオカメラを向けていた。
「ひぃぃぃぃぃっ!」
 夜の静寂の中、哀れな娘の悲鳴が響く。
 男たちは無言のままだ。

 中庭を見下ろす形で五階建ての集合住宅が建っており、いくつかの窓から明かりが漏れていた。
 誰も気付いていない ―― 筈はない。
 関わり合いになるのを避けているだけだ。
 その証拠に二階の窓のカーテンが少し開いて、人影がこっそりと見物を決め込んでいた。
「嫌あああっ!」
 犯され娘の足首に絡まったパンティがひらひら揺れる。
 ビデオカメラを構えた女子高生の表情はうかがい知れない。
 脚の間に入って腰を動かしている男が身体を起こすと、薄目の恥毛がくっきりと見えた。
 太腿の肉付きは良く、ふくらはぎも少々太め。いわゆる大根足だ。
 かなり立派なお椀型の乳房が不規則に踊っており、被害者が女性であることを証明していた。
 青白い防犯灯に照らされた裸体は浮かび上がるように白く、乳首が目立っていた。
 正確には『裸』ではないが、隠すべき部分はすべて露出させられているので、そう言っても差し支えない。
 スカートは臍が出るほど捲れ上がっているし、ブラウスも肩脱ぎ状態で、ブラジャーはホックを外されてだらんとぶら下がっていた。

「ひぇぇぇっ!」
 娘は膣穴にチンポを突っ込まれながら、しゃにむに脚を振り乱して抵抗していた。
 両腕はバンザイさせられて押さえられ、動かせない。
 ずっと向こうの犬の遠吠えが、悲鳴に重なった。
「ああっ、あああっ!」
 男がせわしなく腰を振る。
 動きに余裕はなく、焦っているような印象だ。
 早く射精したい。背中がそう語っていた。
「ひぃっ! やっ、やめてっ!」
 娘は抵抗し続けていたが、いくら脚を振り回したところで腰の位置は変わらないので、刺さった肉棒から逃れることは叶わない。
 握られた乳房がひしゃげて生き物みたいに形を変える。
 やがて男が紺色の空を仰ぎ、息を吐き出した。
 射精したようだ。
 待ち構えていた仲間の男が、早く交代しろと合図する。
 欲望を吐き出してゆっくりと位置を譲る男と、じれている男の様子が対照的だった。
 チンポが引き抜かれ、娘が広げられていた脚を閉じた。
 しかしその脚も、すぐに大きくこじ開けられる。
 次の男に犯されるために。

 小娘らしい口を閉じた陰裂がたちまち開き、中に収まった『女』を洗いざらい曝け出した。
 恥毛はワレメの上半分に偏っており、下半分はツルンとした感じ。
 小陰唇は標準サイズで、まだ少し芯がありそうだった。
 二、三年もすれば柔らかく熟すことだろう。
 クリトリスのサヤがぷっくりと盛り上がっており、かすかに亀頭部分が頭を覗かせていた。
 膣口は大陰唇に巻き込まれてよく見えず、その一帯がぬらぬらと濡れて光っていた。
 男の精液と、塗りたくられたローションだ。
 娘の身体の横には、男たちがご丁寧に持参した安物のローション瓶が転がっていた ―― 濡れていない膣穴にチンポを突っ込むのは容易なことじゃない。
 ビデオカメラの娘が股間にしゃがんで女性器にレンズを向け、「いいよ」と次の男にあごをしゃくった。
「あああっ!」
 次の男がズボンとパンツを降ろすのももどかしく、娘の体内に侵入する。
 こちらは経験が浅いらしく、先ほどの男よりも更にぎこちない動きだ。
 そして、すぐに果てた。おそらく一分と持っていないだろう。
 無念そうな横顔が紅潮していた。
 ビデオの娘に背中を蹴飛ばされ、すごすごと引き下がる。
 ただ、精液の量はおびただしく、犯され娘の膣穴はねっとりと白く塞がっていた。


 通行人が通りかかった。
 残業帰りのサラリーマンとおぼしき身なりだ。
 彼は輪姦現場に気付くと一旦は立ち止まったが、やがて青ざめた表情で立ち去った。
 足音を殺して。
 男三人を蹴散らして哀れな娘を助ける勇気はなかったようだ。
 そのすぐ後に、今度は派手な身なりの若い女が。
 こちらはアルコールが入っているようで、身体を揺らしながら先ほどのサラリーマンよりも長く見物していた。
 そして肩をすくめ、頭を振って背を向けた。
「ひぃぃっ! 嫌っ!」
 三人目に強姦される娘の悲鳴に耳を塞ぐわけでもなく、防犯灯の光を背に受けて長い影を引きずっていく。


 やがて抵抗空しく犯され、体力を使い果たした娘が大の字で横たわる。
 誰が見ても犯されたと分かる、悲惨な姿だ。
 身体にごてごてとまとわりついた乱れ切った着衣。
 足首に絡まっていたパンティは抜き取られ、無造作に芝生に落ちている。
 靴と手提げバッグも、ほど遠からぬ位置に転がっていた。
 下半身は完全に裸で、荒い呼吸に合わせて乳房が一定周期で揺れていた。
 剥き出しの陰裂を、くすんだ光が容赦なく照らし出す。
 精液まみれに違いない膣穴部分は影になっていたが、斜め上から光を受けた『女の縦筋』は離れていてもくっきりと確認できた。
 女体を囲んで、男三人とビデオの女子高生が見下ろして立っている。
 犯され娘が薄目を開き、気丈にビデオの娘を睨んだ。
 その顔にレンズを向け、「ざまぁ」と口を動かすビデオの娘。
 二人の間に何があったのか窺い知れないが、彼女が主犯であることは明らかだった。

 そして一人取り残される女体。
 起き上がろうとするものの力が入らず、恥部丸出しのまま横たわる。
 また誰かが通りかかった。三十歳前後の女だ。
 こちらはギョッと立ち止まった後、周囲を何度か見回し、おそるおそる近づいて声をかけた。
 ぷいとそっぽを向く犯され娘。
「ほっといてよ」
 そんな仕草。
 女は更に何か言っていたが、娘は横を向いて無視を決め込んだ。
 諦めて立ち去る女。
 

 犯され娘がやっと身を起こしたのは、そのしばらく後だ。
 緩慢な動きでブラジャーを拾って乳房を押し込み、立ち上がる。
 背中のホックを留め忘れたせいで乳房がこぼれ出てしまったが、娘は面倒くさそうに舌打ちしただけだった。
 それからブラウスを着て、ずれたブラジャーの体裁を整え、スカートの裾を叩いて汚れを落とす。
 パンティは、まあいいやとばかりに上着のポケットにねじ込んだ。
 そして、のろのろと防犯灯のスポット範囲から退場していく。

 輪姦現場は、いつもの無機質なたたずまいに戻る。
 乾いた足音がフェードアウトしていき、集合住宅の灯りがいくつか同時に消えた。
 


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